農業

ジャンボタニシは除草してくれる益虫なのか?稲の苗を食う害虫なのか?

ジャンボタニシは益虫なのか?害虫なのか?

今年のお米づくりが始まりました。

ですが、さっそく壁にぶつかってしまいました。

我が家では、田んぼの一部に苗代(なえしろ)を作って、そこで稲の苗(=赤ちゃん)を育てます。(一般の農家さんは、田植えの機械用のトレイで育てます)

ですが、その苗代がジャンボタニシによって食い荒らされてしまったのです……orz

ジャンボタニシとは?

「ジャンボタニシ」というのは、その名の通り“大きなタニシ”です。
(画像を載せてもいいのですが、見た目が結構おどろおどろしいので、控えておきます……(^^;;)

正確には「スクミリンゴガイ」と言ってタニシとは生態が異なりますが、見た目がタニシのようなので、そんな風に呼ばれます。

もともとは外国の生物だったのが、ひょんなことから日本に持ち込まれ、繁殖してしまいました……。

しかも、水と土と植物が豊かな田んぼの環境が気に入ったのか、国内の田んぼを中心にどんどん勢力範囲を広げています。

稲の苗を食べてしまう

ですが、このジャンボタニシ。超絶に厄介なことに、稲の小さな苗を食べてしまうのです。

しかも、その食欲がハンパなく、みるみるうちに食い荒らしていきます。
(知人の農家さんは、田植え後にジャンボタニシによって9割の苗がやられてしまった、と言っていました)

大きな苗になれば食べられることは無いのですが、苗が小さかったり弱ってしまったりすると、見事に食われてしまいます。

で。今回、我が家で育てた苗も、ジャンボタニシに食べられてしまったのでした……。

昨年までは“救世主”(益虫)だった

ですが実は、昨年までジャンボタニシは、我が家の“救世主”でした。

どうしてかというと、田んぼの雑草をキレイに食べてくれていたからです。

先ほど、「ジャンボタニシは稲の苗を食べてしまう」と書きましたが、それは苗が小さい初期段階だけです。

苗が健康に大きくなった後は稲を食べることはなく、他の雑草をどんどん食べていきます。

一説には「ジャンボタニシは本当は稲が嫌い」と言われていて、他の雑草を好んで食べるのです。

実際、我が家の田んぼでは、ジャンボタニシの出現によって雑草が駆逐され、草取りの手間がなくなりました

我が家では除草剤などの農薬を使っていないので、以前は手作業で草取りをしていたのですが、その手間が全く無くなったのです。

ですから、僕にとってはジャンボタニシは救世主であり、まさに「益虫」そのものでした。

無農薬の田んぼで草取りしてくれる!

あ。申し遅れました……。

わたくし、大阪の郊外で自然農法の田んぼをしながら、インターネット関連の仕事をしていおりますm(_ _)m そんな働き方なので、パソコン1台でどこでも仕事をする「ノマドワーカー」をもじって、「農マドワーカー」と名乗らせていただいております。

色々な経緯があって、農薬や肥料を使わないお米づくりをするようになったのですが、無農薬の田んぼで一番大変だったのは除草作業でした。

真夏の太陽が照りつけるなか田んぼに入って、鍬(クワ)やデッキブラシや自分の手を駆使して草取りしていました。

毎日のように、早朝から晩までひたすら草取りしていたので、かなり過酷な日々だったと思います。

それが、数年前にジャンボタニシが出現したことによって、完全に手間がかからなくなったのです。

一般的には「害虫」だけど……

先ほど言ったように、ジャンボタニシはもともと海外の生物で、日本国内で徐々に勢力圏を広げています。

うちの市内でもジャンボタニシが広がっていることを聞いていたのですが、5年ほど前までは僕の住む町内までは来ていませんでした。

ですが、何らかの経路から入って来たのか、我が家の田んぼの一部にもジャンボタニシが現れるようになったのです。

とはいえ、我が家にとっては救世主でも、一般的にジャンボタニシは害虫です。「要注意外来生物」に指定されています。

ですから、「ジャンボタニシは草取りの手間が省けていいですよー」「実は救世主ですー」なんてことは言えません。

それに、我が家の田んぼから他のところに広がれば、それは大迷惑なので、外へ広がらないように気をつけていました。
(まあ、それでも、地域全体に広がっていたので、どうやっても広がってしまうんですけどね……(- -;;)

ただ、農薬を使わない我が家にとっては、ジャンボタニシはある意味とても有り難い存在だったのです。

“救世主”が“悪魔”になった

ですが、今年は状況が変わりました。

今まで苗を育てていたところには、ジャンボタニシが生息していなかったのですが、今年から生息範囲を広げたらしく、苗代(なえしろ)の中に出現するようになりました。

そして、育てていた小さな苗を食べてしまうようになりました。

昨年までは「救世主」だったのが一転、もはや「悪魔」のような存在になってしまったのです。

そんなわけで、これまでの方法はやめて、他の方法で苗を育てられるように急ピッチで作業を進めています。

善か悪かは人間の都合次第

でも、こんな風に振り返ると、「人間って都合のいい考えばっかりするよなぁ」と思ってしまいます。

あるときは「救世主」と見ておきながら、あるときは「悪魔」と思ってしまうのですから。

ジャンボタニシそのものの行動や生態は何ら変わっていないのに、状況が変わっただけで、善にも悪にも捉えてしまいます。

というか、「要注意外来生物」に指定されているのだって、日本のもともとの生態系を乱したり、田んぼに害を与えてしまうから、人間が勝手に名付けているだけで、ジャンボタニシそのものに悪意はありません。

ジャンボタニシ本人(?)は、単純に自分たちの本能に沿って生きているだけです。

というか、「日本に持ち込んだヤツ、誰やねん?!」って感じです。

Wikipediaによると……

日本へは食用として、1981年に台湾から長崎県と和歌山県に初めて持ち込まれた。1983年には養殖場が35都道府県の500か所にものぼったが、需要が上がらず採算が取れないため、廃棄された。

Wikipedia「スクミリンゴガイ」より引用

と書かれており、要するに

「食べ物として売れるかと思って輸入したけど、全然儲からんかったから捨てた」

ということですよね。

これはもう、人間の都合以外の何ものでもありません。

接し方を変えるしかない

ですから、ジャンボタニシが良い生き物(救世主)なのか、悪い害虫(悪魔)なのか、というのも、結局は人間の都合と主観でしかありません。

ジャンボタニシは、その本能のプログラムにある通り、生きているだけですから。いわば、「天命に沿って生きている」というわけです。

なので、人間の側が「悪いヤツ」とか「良いヤツ」と勝手にラベルを貼るのはお門違いなわけで、できるのは「相手にどう対応していくか?」だけです。

そう。ジャンボタニシの生態を変えることも、おそらく全て駆除することもできないので、その生態をよく知り、自分たちの接し方を変えるしかないのです。

これって他の仕事でもあることですよね。会社で働いていて独特の慣習やルールがあったり、嫌な上司がいたりした場合でも、その環境や性格を変えることなんてできず、結局は自分の応じ方を変えるしかありません。

つまりは、「自分自身を変える」しか方法がないわけです。

そんなこんなで、我が家では今までの方法を捨てて、別の育て方に変えることにしました。

ジャンボタニシの行動を変えることはできないので、それに対応した方法を取ろうと模索しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ジャンボタニシの話から、最後は少し手哲学的な話になってしまいましたが、こうやって考えると、どんな仕事でもどんな分野でも結局同じところに行き着くのだとわかります。

もう一度ポイントを整理すると……

ジャンボタニシは害虫か益虫か
  • ジャンボタニシは稲の苗が小さい時に食べる(=この時は「害虫」)
  • でも、稲が大きくなってからは雑草を食べてくれる(=この時は「益虫」)
  • だから、ジャンボタニシが良いか悪いは、状況によって異なる
  • というか、全て人間の都合と主観によって「善」か「悪」かが変わる
  • ジャンボタニシの生態そのものを変えることはできないので、「自分がどう対応するか?」を変化させるしかない

となります。

まだ僕自身の有効な手立ては見えていませんが、とにかくジャンボタニシとより良く付き合っていけるように、試行錯誤したいと思います。

あなたにとっても、この記事が何かしらご参考になれば幸いですm(_ _)m

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!!

ABOUT ME
つじばやし@農マドワーカー
つじばやし@農マドワーカー
「ノマドワーカー」ならぬ「農マドワーカー」です。 地元の田んぼで無農薬のお米づくりをしながら、IT関連のお仕事をしています。 ブログは毎日更新しているので、よかったらまた遊びに来て下さいね!

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