社会

住宅地にある大きな樹木を剪定するときに悩んだことや感じたこと

自然との共生を考える

住宅地にある大きな樹木の剪定をしています。

訳あって所有してきた土地の中に沢山の大きな木が生えていて、それを業者さんに切ってもらっているのです。
(上の画像は、その途中の様子です)

でも、「伐採」ではなく、あくまでも「剪定」です。

なぜなら、ここに生える大きな楠(クスノキ)は、地元のご神木とされていたからです。

神社の境内にあるわけではないのですが、根本には祠(ほこら)の跡があり、以前は地元の方が手を合わせに日々来られていたと言います。

それに、斜面に生えているため、その根が土を支えている可能性が高く、伐採して命を断ってしまうのは、物理的にも危険です。

そんな事情のため、どんどん成長して大きくなっても伐採はできず、枝を切り落とす剪定もできない木でした。

というか、造園業者さんに依頼しても、断られていました。

日々 樹木に触れる造園屋さんだからこそ、そういったことにも敏感なのでしょうか。大きな木を切ると祟りなどがあるので、剪定作業を請けていただけなかったのです。

近隣の方々から落ち葉などで苦情をいただいても、なかなか対処できない難しい問題でした。

  • 地元の信仰を集めるご神木だから大切にしたい
  • でも、高くなりすぎると危険だし、落ち葉の問題もあるので何とか
  • なのに、剪定作業を請けてくれる業者さんがいない

というジレンマを抱えていたのでした。

ですが、約1ヶ月前に猛威をふるった台風21号(2018年)によって、状況が変わりました。

猛烈な風が吹いたため、大樹の枝が折れ、いくつかは吹き飛んでしまったのです。

幸い、大きな事故やケガはなかったものの、台風の威力によって その危険性が高まったのでした。

そこから以前からご縁のあった業者さんに頼み込み、このように大木の剪定を依頼することになりました。

ですが、個人的には非常に悩ましく感じました。

  • ご神木であるクスノキも 周りの木々たちも 何ら悪いことはしていないのに、人間の都合で勝手に剪定してしまっていいのだろうか
  • いや。もしかしたら、この木々たちが今回の台風から守ってくれたのではないか?
    (その証に、クスノキの枝が一番飛んでいたので)
  • 周辺の方々に落ち葉などでご迷惑をかけているのはわかっているが、本来はかつては非常に貴重な樹木だったのではないか

という風に。

とはいえ、かつては御神木として崇められていたクスノキも、今では手を合わせる人がいなくなってしまいました。

周りには新しい住宅やアパートも建っていて、むしろ「落ち葉を落とす迷惑な木」という認識が強くなっています。

そういう状況を見て、心苦しく感じたのです。

僕は子どもの頃から自然が好きだったので、人間と自然が調和して共に生きる世界であって欲しいと思っています。

理想論かもしれませんが、そんな風に『人間と自然の共生』をいつも考えてしまうのです。

ですが、だからこそ思いました。

ここで、この御神木や木々たちを『迷惑な木』のままにしてはいけない

……と。

  • むしろ、いったん剪定することで、落ち葉などの影響をなくし、周囲に溶け込む形にするほうがいいのではないか?
  • その上で、改めて斜面の土を支えてくれていることや、その大木の姿を見せることで、少しずつ その存在を知ってもらうがいいのでは?
  • そうすれば、その先に、人間が御神木への信仰を取り戻し、自然との共生に感謝した生き方ができるのではないか?

あくまでも僕の頭のなかの想像ですが、そんなことを考えました。

現代社会においては、自然の大切さを感じる機会というのが減っています。

むしろ、住宅地の中に樹木や藪(ヤブ)があると、「迷惑なもの」として扱われてしまうことが多いです。

人間の身近にある自然こそを敬遠してしまうのです。

ですが本来、自然は人間の生活を支えるものです。

地面を支えてくれていたり、酸素を作り出してくれていたり、水を浄化してくれたりしています。

科学的に見ても、人間が生きるために自然は欠かすことができないわけです。

であれば、「信仰」という形まではいかないにしても、「人間と自然が共にある」形はつくりたい……いえ、取り戻したいと思ったのです。

そう。だから、自然と人間の共生関係を取り戻すために、今回の樹木の剪定を決めたのでした。

って、これは僕の勝手な考えであって、他の人に押し付けるわけではありません。

周辺の方々に「もう一度ご神木としてお祈りしましょう!」なんてことは言えないわけです。

ただ、個人的には、このクスノキの近くに行くと、今までの長い歴史と大きな大きな生命力を感じるので、手を合わさずにはいられなくなります。

僕には霊感とかは何もないのですが、「やっぱり御神木だよね」と思ってしまうのです。

だから、今は僕ひとりだけでいいので、クスノキや周りの木々に対して感謝をし、近くを通る機会には手を合わせてお参りしたいと思うのです。
(たぶん他の人が見たら怪しいので、コッソリですけど(^^;;)

文明が進むにつれて、人間は自然への畏敬を無くしてきましたが、それをこのタイミングで取り戻せたらいいなー、と感じています。

勝手な独り言をつらつらと書き綴りましたが、あなたの胸にも、何かしらお届けできれば幸いです(^-^)

ABOUT ME
つじばやし@農マドワーカー
つじばやし@農マドワーカー
「ノマドワーカー」ならぬ「農マドワーカー」です。 地元の田んぼで無農薬のお米づくりをしながら、IT関連のお仕事をしています。 ブログは毎日更新しているので、よかったらまた遊びに来て下さいね!

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