子どものためにチーズハンバーグを作りました。
けれど、「いらない」と言われてしまいました。
僕としては、心を込めて作ったのでショックでした。
娘としては、ハンバーグよりも卵かけご飯を食べたいのだそうです。
「ふざけんな!」
「どれだけ頑張ったと思ってんねん!?」
「君のために作ったんやで?!」
と言いかけました。
けれど、これって“子どものため”ではなくて、完全に“自分のため”なんですよね。
子どものために頑張って料理しました
ブログへのご来訪ありがとうございます! 「農マドワーカー」のつじばやしです(^^) 大阪の郊外で自然農法の田んぼをしながら、インターネット関連の仕事もしています。
昨日から妻が家を空けています(友だちの大切なイベントで実家に帰省中)。
そのため、4才の娘と僕の二人暮らし。
ご飯の準備なども僕の担当となります。
で。昨日は「娘に喜んでもらおう」と思って、豆腐ハンバーグを作りました。
娘はチーズが好きなので、ハンバーグの中にチーズを挟んで焼き、さらに仕上げにチーズを載せました。

初めてのチャレンジだったため、いつもより30分ほど遅れてしまいましたが、良い感じの仕上がりだったので自信を持って食卓に置きました。
ですが、娘は残酷にもこう告げたのです。
「これ、いらない」
「卵かけごはんがいい!」
……と。
本当に「子どものため」?
正直なところ、カチン!と来ました。
今回のチーズハンバーグを作るのにかかった時間は1時間ほど。でも、もし卵かけご飯にしたら3分くらいで出来上がります。
「卵かけご飯なんかにしたら、今までの時間がムダになるやん!」
「親がこれだけ頑張って作ったんやから、ちゃんと食べろよ!」
「そもそも、あなたのためを思って作ったんやで?」
という気持ちがドワーーーッと湧いて来ました。
ですが、そこで冷静になって感情を吐き出すのを止めました。
「ん? 待てよ」
「これって、完全に僕のエゴやん!」
ということに気づいたからです。
子どもの立場で考えてみる
実は「卵かけご飯がいい」ということは、事前に少し聞いていました。
娘は卵かけご飯が大好きで、夕方 幼稚園から帰宅したときも「今日も“たまごはん”がいいー」と言っていたのです。
(我が家では卵かけご飯のことを“たまごはん”と呼びます)
けれど、僕はもうハンバーグを作りかけていましたし、「毎日“たまごはん”ばかりではマズかろう」と思い、その言葉をスルーしていました。
ですから、チーズハンバーグが出来上がったとき、「いらない」と言われるのは当然のことだったのです。
それに、娘の立場で考えると、僕は色々とひどいです(- -;;
- 自分は卵かけご飯が食べたいと思っている
- けれど、父親はその声を無視して、勝手に違うものを作っている
- しかも、いつもの夕食の時間よりも遅くなり、待たされている
という状態なのですから。
これがもしレストランであれば、
- 自分の注文とは違う料理が作られている
- しかも、お腹が空いているのに、めっちゃ待たされている
という状況です。
お客さんなら、ブチ切れですよね……(^^;;
つまり僕は、子どもの希望や立場を完全に無視して、自分のワガママだけで晩御飯を作っていた、ということなのです。
腹が立った原因は自分自身にあった
「うわー。やってしまったー(>_<)」と思いました。
こういうことは今までもよくあったのですが、「またか……」という感じでした。
けれど、救いだったのは、腹が立った気持ちをそのままぶつけなかったこと。
「ハンバーグいらない」と言われてカチンと来たものの、その感情を冷静に見つめて、
「あ。こうなったのは僕が原因だ」
「この子の気持ちを全然考えられてなかった」
と気づき、その感情を鎮めることができました。
それに、その時の娘は とても眠たそうにしていました。僕がハンバーグ作りに時間をかけてしまったために、幼稚園の疲れが出てクタクタになってしまったのです。

「ごめんね。いっぱい待たせちゃって」
と眠そうな娘を見つめて言いました。
この状態ではハンバーグは無理だと僕自身も悟り、
「ハンバーグはもういいよ」
「“たまごはん”つくるから、それを食べな」
と告げて、睡魔でフラフラしている娘に、卵かけご飯を出したのでした。
子育てだけではなく仕事でも

でも、こういうことって、よくあることなのかもしれません。
子育てではもちろんですが、世間一般の仕事の中でも。
サービスを提供する側は「お客さんのために!」とか「こだわりのものを!」と意気込むのに、お客の側としてはそこまで求めていないってよくあります。
先ほどのレストランの例のように、お客さんが
「卵かけご飯を食べたい」
「お腹が空いているから、早く食べたい」
と言っているにも関わらず
「いや。うちの店はハンバーグが絶品なんです!」
「あなたのために心を込めて作るから、絶対おいしいです!」
「でも、こだわりの一品で時間がかかるので、1時間お待ちください」
なんて店員が言ったら、
「いや。いいッス」
「帰ります」
となりますよね( ̄▽ ̄;;
お客としては想いやクオリティなんて求めておらず、単にサクッと簡単なものを食べたいだけなのに、それが完全に無視されてしまっています。
もはや、お店のエゴです。
こういった「自分のこだわりを優先してお客の声を聞かない」というのは、個人で起業しようとしている人に多くて(やたらクオリティや正しさを求めて、お客に届けることをしない)、自分自身もそういう傾向があるので、改めて気をつけようと思いました。
というか、今回の娘に対する料理の出し方が、まさに“自分のエゴ丸出し”状態だったので、大きく反省中でございます。
そんなこんなで、子育てだけでなく、仕事に対する姿勢も学ばされたのでした(^-^)
お互いの気持ちを尊重する
という感じで巻き起こった「チーズハンバーグ事件」だったのですが、実は続きがあります。
娘が卵かけご飯を機嫌よく食べ、僕もチーズハンバーグを食べ始めたところ、
「あ。それ、食べたい!」
と娘が言い出したのです。
どうやら、ハンバーグを切って中からトローリと出て来たチーズに心を奪われたようでした。
先ほどまでの眠気も、卵かけご飯を食べ始めたことでマシになり、元気も出て来たようです。
「そうかー。最初から、この“トローリ”を見せておけばよかったのかー!」
と笑いながら、自分のハンバーグを切って、娘にも渡しました。
自分が「良い」と思っていることは、わかりやすく伝えておかないといけないですね(^^;;
そのあとは、“たまごはん”とチーズハンバーグを二人で分け合って食べ、よい夕食の時間となりました♪

「子どものため!」と思って料理を作るのは、素晴らしいことだと思います。
けれど、それはあくまでも子どもの気持ちを理解した上でのこと。
そして、自分の気持ちをわかりやすく伝えることも重要です。
お互いの気持ちや立場を尊重して、楽しく料理や食事ができるといいですね(^-^)